退職金について
退職金をもらう場合、所得税が天引きされるケースがある。
「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出すると、会社が退職金に対する所得税・住民税の計算をします。
退職金の所得税等の計算は、
（退職金－退職所得控除）÷1/2
ここで、退職所得控除は、20年以下は年40万円、20年年超は年70万円の控除がある。
例えば、30年勤務していれば、20年×40万円＋10年×70万円＝1,500万円の退職所得控除があります。
退職金が2,000万円なら、
2,000万円－1,500万円＝500万円
500万円÷1/2＝250万円
250万円に対する税金
という風になります。
もちろん、1,500万円以内の退職金であれば、税金はかからない。
ところで、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は、控除等を一切考慮することなく、退職手当等の支給額に20.42％の税率を乗じて計算した所得税及び復興特別所得税の額を源泉徴収します。
2,000万円×20.42％＝4,084,000円
ただし、これは所得税でいう年末調整をしていない状態と同じです。
自分で確定申告をすれば、退職所得控除を使った前者の計算と同じになります。
最終的な結果は同じになるが、申告漏れや、受取金額が変わるので、「退職所得の受給に関する申告書」を提出するようにしましょう。
退職金から所得税が天引きされている場合
通常、退職金の手続きは、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、適正な税金が天引きされているので、その後何もする必要はありません。
（確定申告不要）
ただし、所得控除が余っている場合は、注意が必要です。
専門的な説明は省略しますが、退職金は上記の計算のみで完結するため確定申告する場合でも申告不要だ。
しかし、退職金も所得（収入）であるのは同じなので、申告することは可能。
退職した年は、退職した時期にもよるが、年の途中で退職するので年収が少なくなる。
例年であれば、所得控除を使い切っていると思うが、この所得控除の金額が残っている場合がある。
実は、この使い切れていない所得控除も、退職金の税金を計算するさいにも使うことができる。
退職金の所得税も、還付の可能性がある、ということだけは覚えておこう。
＊あくまで、所得税が天引きされている場合ですので、所得税を天引きされていない場合は関係ありません。
